2024年10月16日水曜日

サイババの、御言葉 2024/10/16

 サンスクリット語で「毒」は「ヴァイシャ」と呼ばれます。この同義語に「ヴィシャヤ」があります。これは色欲、怒り、貪欲、渇愛、高慢、憎悪によって人の心(マインド)を毒する「感覚の対象」という意味をもちます。蛇を見つけると必ず駆除するのは蛇が「毒」をもっているからです。

人が「感覚の対象」(ヴィシャヤ)のとりこになっているのは、人が堕落してしまったせいです。しかし、状況に希望がないわけではありません。

ナーガスワラム〔南インド伝統的な吹奏楽器、ナーガは蛇の意〕という管楽器で調べを奏で、蛇がその甘美なメロディーに魅了されて動けなくなれば、蛇を飼いならし、毒牙を抜くことができます。「感覚の対象」が人の心に及ぼす毒もまた、人がナーマスマラナやサンキールタン――意味深い神の御名の復唱や、それを集団で歌うこと――の美しい調べに魅了されたときに、取り除くことや消し去ることができます。このようにして、どちらの毒も清らかな甘露に変えることができるのです。

ナーマスマラナが感覚のからみ合いから人の心を引き離すときに生じるもの、それは、サーマチッタという、一新した心の安定、歓喜に満ちた平静です。

書籍「バジャン:神への讃歌」 P.170