あるとき、チャイタニヤが通りでクリシュナ神の栄光を歌っていると、
チャイタニヤの評判が高まっているのを妬んだ何人かの悪党が、チャイタニヤの手からターラムをひったくりました。
それからは、チャイタニヤは神の御名を歌いながら太鼓をたたくようになりました。
ところが、その太鼓さえも悪党たちに壊されてしまいました。
けれどもチャイタニヤは少しもうろたえませんでした。
チャイタニヤは、神の御名を歌うのに楽器を使う必要はないのだと思い、
今度は手をたたきながらバジャンを歌いはじめました。
そうなると、悪党たちは無情にもチャイタニヤを袋だたきにしました。
チャイタニヤの体からどくどくと血が流れ出しました。
それでも、チャイタニヤは神の御名を歌い続けました。
ところが、チャイタニヤの母親がやって来てその姿を見た時には、体には一滴の血も付いていませんでした。
血痕はすべて奇跡的に消えてなくなっていたのです。
それは、チャイタニヤが自分の体は神のものであると固く信じ、体に一切執着を持っていなかったからでした。
2001年5月6日