単に御名を口にしたり機械的に繰り返すだけでは、目的にかなうことはありません。
御名は、集中した一意専心と信愛と共に、純粋なハート〔フルダヤ〕から生じなければなりません。
したがって、ナーマスマラナは、心(マインド)〔〔マナス、思考と衝動の束〕が世俗的な欲望で汚れていないときにだけ、実を結ぶのです。
帰依者のハートの状態が、この霊性修行(サーダナ)の効果を決定します。
邪悪な心の持ち主のハート、ラーヴァナ〔羅刹(ラークシャサ)の王〕のような感覚的な強い欲望に満ちたハートは、御名を汚し冒涜(ぼうとく)します。
しかし、同じ御名が、ヴィビーシャナ〔ラーヴァナの弟〕のような純粋なハートの持ち主から湧き出たならば、御名はその人をシュリ・ラーマ自身の蓮華の御足のもとへと案内してくれるのです。
書籍「ナーマスマラナ:神の名前の不思議な力」P.74