サイラムにまつわる話といえば、もう何年も前の話になるのですが、私は若い頃、気が強くて、でしゃばりなところがありました。ある時、道を歩いていると、後ろからタバコを吸いながら自転車に乗っている中年男性が通って、私はその煙を吸ったので思わず、「タバコくさ!」と叫んでしまいました。すると、その男性が嫌がらせのように喉を鳴らすような鼻をすするような音を出したので、「きもちわる!(きもちわるい)」と言わなくてもいいのに、大きな声で聞こえるように言いました。すると、その人はくるっと自転車の方向をかえて、こちらに向かってきました。一緒にいた友達は、私を引っ張って、必死に逃げてくれたのですが、気の強い私は、殴るんなら殴れと言うような気持ちでした。私の心にはいつもババがいたから、そんな気持ちでいられたのでしょうね。私達が曲がり角を曲がって、男性が後を追って曲がり角を曲がって、私達がその曲がり角から出てきて、その男性の姿が見えなくなった時に、私が後を振り向いて大声で「サイラム!サイラム!」と言った直後、ドーンと何かがぶつかるような大きな音がして、それから静かになりました。男性が出て来なかったので、しばらくしてから、恐る恐るその曲がり角に行ってみると、もう、男性の姿はなくなっていました。どうやら男性は酔っ払っていたのか、角に立てかけてある大きな看板にぶつかってこけてしまったか何かで、びっくりして去って行ったようでした。サイラムに助けられた瞬間でした。私の行為も決してサイの帰依者にふさわしいものではなかったのに、それでもババは、日ごろから私がババの教えに従おうと頑張っている(頑張っているだけで出来ていない)のを見ていて、助けてくれたんだなぁ、と思い、ババの愛をしみじみ感じた出来事でした。この時は、明らかに天の助けと分かりましたが、日ごろから、私の気付かないところでもたくさん助けていただいているのだと思います。そんな日々の積み重ねで、今はどこにいてもババが守ってくださっているのだという確信のようなものがあって、年を増すごとに信愛の気持ちが強くなっています。
大阪 女性